主張・見解
インボイスは消費税増税への地ならし
婦民新聞第1750号(2023年10月10日号)より
「インボイス制度を考えるフリーランスの会」は、九月二十九日、インボイス制度中止を求める五十四万人余のオンライン署名を提出しました。
しかし政府はこれらの声に耳を傾けることなく、十月一日にインボイス制度の実施を強行しました。
インボイス導入を前に、免税事業者は登録業者となり消費税を払うか、免税事業者のままで消費税相当分の値引きをするか、取引を諦めるかの「悪魔の三択」を迫られました。
これでは生活していけないと中小企業や個人事業主、フリーランス等が悲痛な声をあげており、これまでの関わりに支障をきたすとして反対する課税事業者もいます。
そもそも消費税導入時に小規模事業者への対策として設けた「免税事業者」に対して、新たに消費税を課す「増税」に正当な根拠はありません。
政府の本当の狙いは、今後、複数税率を取り入れるなどして、消費税率を上げていくための地ならしです。 インボイス実施後の混乱は必至です。
政府は、制度の円滑な導入のために、中小事業者らへの支援策を十月にまとめる経済対策に盛り込むとしています。
しかし、制度実施時の軽減策も三年間の時限があり、これから示される支援策は、業者間の取引監視や取引のデジタル化など、根本的な解決にはなりえないことが予測されます。
物価高騰などで国民生活が厳しい状況にある今、必要なのは、消費税減税です。
インボイスを隠れ蓑にした消費税増税は許さず、インボイス制度の廃止を求めるたたかいを続けていきましょう。