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地方創生には住民参加の自治の力こそ

婦民新聞第1557号(2017年7月10日号)より

元総務大臣の増田寛也氏が代表を務める日本創生会議が、人口減少によって八百九十六自治体(全国市町村数千七百十八の約半数)の消滅の可能性を発表し、問題が大きくクローズアップされたのは、二〇一四年のことでした。政府は同年十二月、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定し、地方の人口減少に歯止めをかけ、東京への一極集中の是正、地方での若者雇用三十万人を生み出すなどの目標を掲げました。そして二〇四〇年目標の「人口ビジョン」の策定を全国の自治体に求めました。しかし、国の施策を地方に求め、自治体間に競争を持ち込み、勝ち組、負け組を作っていくこと等、自治体の主体性を無視する、このようなやり方では、地域は再生しません。

自治体独自の取り組みが地域を活性化させた長野県伊那谷地域、阿智村の例をみます。岡庭一雄前村長は「地方自治は多数決を使わない。様々な人がいるのが地域であり、合意形成のプロセスこそ地方自治だ」と語り、情報を公開し積極的な住民参加の仕組みをつくりました。阿智村に合併した旧清内路村は「清貧の村」。田んぼも何もない。唯一あるとしたら神社に奉納する手作り花火の伝統。その村の「若者が帰ってくる八原則」は、帰る家で夫婦仲が良い、地域の中に居場所がある等、素朴で温かく当たり前のことが並んでいます。清内路地域の二〇一〇年から一四年までのIターン、Uターン者の合計は九十七にも上るといいます。地域のことは地域でよく話し合い決めていく。自治の力は町を再生紙、やがて国を変える基となるものです。

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